書評6 ナンセンス・カタログ

こんにちわー、TKです。
今日で21歳になりました:)☆

前回は『ナンセンスの絵本』という本を紹介しましたね。
というわけで、今回は〈ナンセンス〉つながりがあって
なおかつわたしと同じ21歳の本をひとつ紹介したいと思います。

書評4『肉体の門』のときと同様に
表紙の絵が表示されないのが残念ですが……。

じゃじゃん! 
谷川俊太郎(著)×和田誠(絵)『ナンセンス・カタログ』
ですっ ちくま文庫から出ています。

これはエッセイなのですが、普通のエッセイよりも文字数の少ない
ショート・エッセイ集。谷川俊太郎のやさしい文章と
和田誠のユーモアのある絵が一つになって、はじめて作品といえる
エッセイ集になっています。

和田誠って誰?」って思った方のために
他の本の表紙を↓

あくま

あくま

[星新一]の本の挿絵や[週刊文春]の挿絵をよく描いてらっしゃる方です。
(好きなイラストレーターのかたの一人です)

この本で谷川俊太郎はよく文章に「〜ね」「〜だよ」を多用しています。
慣れなれしい文章は基本的に嫌いなのですが(「ねぇ! ねぇ! 見てよ!
面白しろいんだよ〜!!! 絶対見るべきだよ〜!!!」という感情が
伝わってくる文章には興ざめ)いい距離を保ちつつ読者に語りかけてくれる
ので続きが読みたくなります。

恋愛の「押し引き」と一緒ですね。ひとつのテーマに対して文章量が短いし、
語りかけると思ったら「どうなのかなあー」なんて言って遠のいていく。
基本的には言いっぱなし、投げっぱなしなんですがそれでも読みたいと思わせてくれる。

ナンセンスなもの、例えばラジオ。1992年当時ではレシーバ。言い方がくるくると時代に
よって変わるもの……、本。読者と作者の距離、握手会。本のある挿絵……。
次から次に物事について言及していきます。

2週にわたって「ナンセンス」に関係する本を紹介したわたしですが
「ナンセンスとは何か? センスとは何か?」
と問われると言葉につまってしまいます。

何かしらのセンスについて話しあうことは日常生活のなかでもあるけれど
「センス」という言葉の意味をうまく説明できる人なんていないんじゃないかな。

ただわかるのは、悪趣味じゃないってことぐらい。

常識の範囲に捉われずに有意義なものと無意義なものを
組み合わせて作るナンセンス文学。

一度あなたも身の回りのセンスについて考えてみては
いかがでしょう:O